目次
開発背景と有用性について
Affinityシリーズ (Affinity Designer、Affinity Photo、Affinity Publisher) には、用紙サイズや画面サイズのプリセットが搭載されています。プリセットを選択すれば、指定したサイズのファイルが作れて便利です。しかし、開発元がイギリスであるAffinityシリーズでは、国際規格のB版が実装されています。 日本で普及しているB版はJIS P 0138です。一方、海外で普及している国際規格はISO 216です。それぞれの規格は以下の表の通り、サイズが微妙に異なります。
B版の日本と国際のサイズ違い一覧表1
サイズ | 日本(JIS P 0138) | 国際(ISO216) | 日本と国際のサイズ差 |
---|---|---|---|
B0 | 1030×1456 | 1000×1414 | 30×42 |
B1 | 728×1030 | 707×1000 | 21×30 |
B2 | 515×728 | 500×707 | 15×21 |
B3 | 364×515 | 353×500 | 11×15 |
B4 | 257×364 | 250×353 | 7×11 |
B5 | 182×257 | 176×250 | 6×7 |
B6 | 128×182 | 125×176 | 3×6 |
B7 | 91×128 | 88×125 | 3×3 |
B8 | 64×91 | 63×88 | 1×3 |
B9 | 45×64 | 44×63 | 1×1 |
B10 | 32×45 | 31×44 | 1×1 |
日本で一般的に普及しているB版をAffinityシリーズで使うには、新しくプリセットやテンプレートを用意する必要があります。いちいち作成するのが手間なので、プリセットファイルとテンプレートファイルを頒布します。
ダウンロード
特定の個別ファイルだけ欲しいという方は、GoogleDriveにディレクトリ構造ごとファイルを置いてるので、そこから指定のファイルをダウンロードしてください。
内容物
テンプレートファイルはAffinity Publisher用ファイルと、Affinity Designer & Affinity Photo用ファイルに分かれています。プリセットファイルは Affinity Designer / Affinity Photo / Affinity Publisher 共通のファイルとなっています。
インストール方法
テンプレートのインストール
解説動画
手順
- Affinity を開く
- ファイルの新規作成 (Ctrl + N) を押下する
-
画面左側のテンプレートを開く
- Affinity Publisher の場合は、[Publisher] と書かれたフォルダを読み込む
- Affinity Designer、Affinity Photo no場合は [Designer-and-Photo] と書かれたフォルダを読み込む
- テンプレートが読み込まれるので、指定したテンプレートをダブルクリックし、正常にB版ファイルが生成される事を確認する
プリセットのインストール
注意事項
プリセットの使用は非推奨です。基本的にはテンプレートの使用のみで事足りるケースが多いので、よく分からない人はテンプレートのインストールのみに止めてください。
なぜプリセットの使用が非推奨かというと、Affinityにおいてプリセットファイルのエクスポート/インポートの機能が実装されていない為です。よってAffinityインストールフォルダに直接アクセスし、プリセットファイルを上書きする方法しかありません。 プリセットを上書きするという事は、既に別のプリセットを作成していた場合、それを上書きして消し飛ばしてしまうという事です。 もしプリセットを上書きしても良い……例えば今までプリセットを作った事がないとか、知的好奇心の為にやってみたい、ファイル作成時にクリックの回数を1回でも減らしたい。という事なら、以下の手順を行ってください。
手順
-
Affinityインストール時に生成された以下のフォルダにアクセスする
-
macOS
-
Affinity Store から購入した場合
- Affinity Photo: ~/Library/Application Support/Affinity Photo/user/
- Affinity Designer: ~/Library/Application Support/Affinity Designer/user/
- Affinity Publisher: ~/Library/Application Support/Affinity Publisher/user/
-
Mac App Store から購入した場合
- Affinity Photo: ~/Library/Containers/com.seriflabs.affinityphoto/Data/Library/Application Support/user/
- Affinity Designer: ~/Library/Containers/com.seriflabs.affinitydesigner/Data/Library/Application Support/user/
- Affinity Publisher: ~/Library/Containers/com.seriflabs.affinitypublisher/Data/Library/Application Support/user/
-
Mac App Store から購入した場合 ( Big Sur以降 )
- Affinity Photo: ~/Library/Containers/Affinity Photo/Data/Library/Application Support/user/
- Affinity Designer: ~/Library/Containers/Affinity Designer/Data/Library/Application Support/user/
- Affinity Publisher: ~/Library/Containers/Affinity Publisher/Data/Library/Application Support/user/
-
Affinity Store から購入した場合
-
Windows
-
Affinity Store から購入した場合
- Affinity Photo: %appdata%/Affinity/Photo/1.0/user/
- Affinity Designer: %appdata%/Affinity/Designer/1.0/user/
- Affinity Publisher: %appdata%/Affinity/Publisher/1.0/user/
-
Microsoft Store から購入した場合
- Affinity Photo: C:/Users/%appdata%/Affinity/Photo/1.0 (Store)/user/
- Affinity Designer: %appdata%/Affinity/Designer/1.0 (Store)/user/
- Affinity Publisher: %appdata%/Affinity/Publisher/1.0 (Store)/user/
-
Affinity Store から購入した場合
-
macOS
- 当サイトで配布してるファイルの中にある doc_spread_presets.propcol というファイルを(1)で開いたフォルダにコピー&ペーストする
- Affinity Designer、 Affinityh Photo、 Affinity Publisher を開くと、プロファイル設定が書き換わっているのが分かる
配布したプリセットおよびテンプレートのサイズ情報1
サイズ | 横幅 | 縦幅 | 内側 | 外側 | 上 | 下 |
---|---|---|---|---|---|---|
B0 | 1030 | 1456 | 25 | 25 | 25 | 30 |
B1 | 728 | 1030 | 25 | 25 | 25 | 30 |
B2 | 515 | 728 | 25 | 25 | 25 | 30 |
B3 | 364 | 515 | 25 | 25 | 25 | 30 |
B4 | 257 | 364 | 25 | 25 | 25 | 30 |
B5 | 182 | 257 | 21 | 21 | 21 | 20 |
B6 | 128 | 182 | 15 | 15 | 15 | 14 |
B7 | 91 | 128 | 11 | 11 | 11 | 10 |
B8 | 64 | 91 | 7 | 7 | 7 | 7 |
B9 | 45 | 64 | 5 | 5 | 5 | 5 |
B10 | 32 | 45 | 4 | 4 | 4 | 4 |
あとがき
なぜこのファイルを作ったかというと、Affinity Publisher でちゃんと入稿できる書籍でも作るか~!!と思って、標準搭載されてるB5プリセットをダブルクリックしたら、アレレ? 意味わからんサイズが出てきたぞ。と気がついたからです。 国際規格と日本規格でB版のサイズが違うなんて、確かに教科書的な知識では読んだ気がするけれど、まさかここで直面するとは。
Affinityシリーズは日本でもそこそこ売れてるソフトウェアだと思うのですが、こういうローカライズがことごとく微妙ですよね。DICカラープリセットもないし、縦書きも禁則処理もルビも非対応ですし、印刷用トンボも海外式ですし。 なおDICカラープロファイルは当ブログの過去記事で制作・配布してるので、欲しい方はAffinity用スウォッチとグラデーションの配布をご参照ください。
余談ですが、最近Affinityシリーズの更新が少ないですね。バージョン2を準備中なのでしょうか。非常に楽しみです。
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